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「個性とマナー」

先日、チェコで行われたシクロクロス世界選手権が終わりました。世界選手権前にベルギーを拠点にトレーニング&レース参戦していた、辻浦 圭一選手が49位、竹之内 悠選手が36位。数字だけ見ればパッとしないけれど、この数字を残すことは努力と才能を必要とし、とてもスゴイ事なのです。そして彼らにはまだまだ伸びしろがある。これからさらに期待したい!
このレース、優勝したのは地元チェコのZdenek Štybar(ジェネック スティバー)。24歳。チェコ生まれながら、まだ短い競技人生の半分はベルギーで過ごしている。チェコ生まれのベルギー育ちって感じだ。まだタイトルを持っていない彼に目を付けたのが自身もシクロクロスで世界チャンピオンとなっている、現Fideaのダニー ドビー監督。2005年の事だった。そしてこの年から快進撃が始まる。

     
2005年    
U23   チェコ選手権 優勝
U23   世界選手権 優勝
2006年    
U23   チェコ選手権 優勝
U23   世界選手権 優勝
2007年    
エリート   チェコ選手権 2位
2008年    
エリート   チェコ選手権 優勝
エリート   世界選手権 2位
2009年    
エリート   チェコ選手権 優勝
エリート   世界選手権 2位
2010年    
エリート   チェコ選手権 優勝
エリート   チェコ選手権 優勝
ワールドカップ   総合優勝
     


2008年。22歳の若さで世界選手権2位。2009年も2位。そして今年24歳の若さながら3度目の正直でようやく世界選手権で得た栄冠である。
FEATURE
FEATURE
彼がベルギーに来たのは2005年、19歳の時だ。英語も話せないし、当然ベルギーでは母国語のチェコ語も通じない。ドビー監督は彼がホームシックにならないよう最善を尽くし、信頼できる友達の家庭にホームステイさせた。 それから5年。自分で住む家を借り、ベルギー人の彼女を見つけ、私生活でもベルギーに馴染んでいる。ベルギーのTV局のインタビューで、一生懸命にオランダ語で答えている姿がベルギーの自転車ファンのハートを掴み、親しみを込めて「スティービー」と呼ばれている。

しかし何より彼に対し多くのベルギー人が親しみを感じ、ファンとなり、支えているのは、彼の人柄によるところが大きい。もちろん、プロスポーツ選手であるからには結果も大事だ。というより、結果は残して当たり前。それ以上の存在となるにはやはり人柄であり、それは国境を越えても感じるところは同じなのである。

世界選手権開催の10日前。Fideaのチームトレーニングに足を運んだ。待ち合わせ場所のホテルの駐車場に僕とスティービーがほぼ同時に到着。僕はちょっとタイミングをずらし敢えて20mくらい後ろを歩いたのだが、ホテルのドアを開けて僕が来るのを待っていてくれた。10日後に世界チャンピオンになる男がわけの分からないアジア人に対してもきちんとしたマナーを持って接してくれた。

昨今の日本のプロスポーツ界もマナーが取り沙汰されている。サッカー、相撲、スノーボードetc.。僕自身、決して行儀のイイ方では無かったし「お利口さんになりなさい」なんて言いたくない。しかし個性とマナーを履き違えてはいけない。

FIDEAのチームジャージをみる
橋川健(はしかわ けん)
チーム ユーラシア - ムセウ バイクス 監督
ベルギーでアマチュア4年、プロ7年、合計11年の競技生活を送ったのち、昨年か らベルギーに移住。選手たちのサポートを行っている。最近の悩みはまた走りた くてウズウズしてきた事。1970年生まれ。身長180cm、体重70kg。足のサイズは 28cm。山本君とは兄弟と間違われる事も・・・
   
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