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「受け継いでいくもの」

ベルギーと聞いて、皆さん何を想像しますか?サイクルウェアのサイトですからもちろん自転車競技、ロードレースを想像する方も多いと思います。あとは...旅行好きな方なら19世紀のフランスの詩人ビクトル ユゴーが世界一美しいと称した首都ブリュッセルのグラン‐プラス(大広場)やしょんべん小僧、食いしん坊なあなたにはチョコレートやワッフル、ビールと言ったちょっとジャンキーな美味しいものを想像するかもしれません。かくいう僕もチョコとビールにやられてしまいました!

今年のベルギーは昨年に引き続き極寒で、連日氷点下の日が続き、天気予報によると夜は‐20度くらいにまで下がっているようです。そんな寒い時期に自転車のコラムなんて・・・シーズンオフなのに?と思っているあなた!それは大きな間違い。ベルギーでは真冬でも6日間レースや、シクロクロスなど伝統的な自転車競技イベントが連日行われ、テレビの生中継もほぼ毎週末放映され、ロードレース並み、もしくはそれ以上と言っても良いくらいの盛り上がりを見せています。

そして、今年、シクロクロスのジャパンナショナルチームのメンバーが本場ベルギーにシクロクロスを走りにやってきました。全日本選手権8連覇更新中の辻浦 圭一選手(ブリヂストン アンカー所属)、5連覇中の豊岡 英子選手(パナソニック レディース所属)の両エースを筆頭にU23の竹之内 悠選手も加わりかなりの豪華メンバーです。

正直言うと最初、辻浦選手から「ベルギーで走りたいのですが...」と連絡をもらってしばらくコンタクトを取り合っていた時、僕の中でかなり印象が悪かった(ホント、申し訳ない)。だって、人数はコロコロ変わるし、予定は立たないし、「こいつら、何考えてんだ!やってられっか!」ってな感じだったんだよね。
FEATURE
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でも、僕がベルギーに来た時...20年前は僕もベルギーの人たちにお世話になりっぱなしで、迷惑かけまくり、きっと皆「コノ ニホンジン アタマオカシイ ナニカンガテ イルンダ!」って思っていたに違いないんだよね。自分でそう思うのだから間違いない。でもね、僕が今、まだこの地で当時の友達やおじさん達と仲良くしてもらえるのは、どこかで「ギブ & テイク」が成立していたからではないかと思う。それは時として言葉とか、気持ちだとか、成績だとかお金だとかに形を変えつつも、20年という長い月日の中ではお世話になりっぱなしって事では無かった...と思っている。チャラにはなっていないかもしれないけれど。

先日、ビール~ムール貝~ビール~ムール貝~ムール貝~ビール~ティラミス~コーヒーと、食で釣って日本人総勢5名を自宅に招待して腹を割って話をしてみると、なるほど、誤解していたのは僕の方で彼らは純粋に強くなりたい一心で頑張っているのが伝わった。

さらに皆で食事をした数日後、辻浦君が練習中いきなりウチに寄って来てくれた。氷点下の中、ウェアを着こんで、クロスバイクに跨っている彼を見ると、15年前の自分を見ているようで、爺心からか応援したくなった。相変わらず、何を考え?何をしに?来たかは不明だけど、ランチのパスタを食べて、コーヒーとデザートを食べて元気に帰って行った(笑)。

いつか彼らがもう少し大人になって後継の選手たちの面倒を見る余裕が生まれた時に、今、彼らが受けている恩恵をそのまま後輩に引き継げるように、頑張ってほしい。選手として成績を残すのは大事な事だけど、もっと大事な事は人と人の繋がりであり、その繋がりが大きく広がる事が今の日本の自転車競技にとって重要な事だと思う。

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橋川健(はしかわ けん)
チーム ユーラシア - ムセウ バイクス 監督
ベルギーでアマチュア4年、プロ7年、合計11年の競技生活を送ったのち、昨年か らベルギーに移住。選手たちのサポートを行っている。最近の悩みはまた走りた くてウズウズしてきた事。1970年生まれ。身長180cm、体重70kg。足のサイズは 28cm。山本君とは兄弟と間違われる事も・・・
   
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