印刷する
FEATURE
「補給食は、走る楽しみのひとつ」

トレーニングに真剣に打ち込むサイクリストは、ストイックに日々乗り込んでいるはずだ。一般的な「トレーニング」というと週に2~3回ほどというイメージがあるが、自転車は毎日乗っても問題ない。肉体的につらい日もあるが、習慣となれば筋肉痛になることもない。基本的な運動強度は低いが、長時間乗ればそれだけ腹が減る。どんなに運動強度が低くても減るものは減る。

比較的、運動強度が高い場合は、より早く空腹感が訪れる。 初心者と上級者が一緒にトレーニングをした場合にも、初心者の運動強度は高くなるので、エネルギーが消費される(そんな経験はないだろうか?)。そういった場面では、より積極的に補給を摂るべきだろう。

ハイスペックな補給食は血糖値を安定させ、最大の効果を生み出すよう配慮されている。本来、そういったものが最適といえるだろう。しかしながら味気ないうえに高価である。日常では"ある程度"普通のもので補いたい。さらに美味いのが基本だ。栄養価が高くても美味しくないものでは、やっぱりダメ。補給が待ち遠しくなるような、食べる瞬間にちょっとわくわくするようなモノを見つけたい(プロの補給食も安い、美味いが基本だそうだ)。
FEATURE
かく言う当方も補給食にはこだわる。もっともコストパフォーマンスにすぐれ、栄養価も保証できるのは「はちみつ」だろう。

チューブタイプのはちみつを背中のポケットに忍ばせ、補給する。その一連の動作を初めて見た人には、必ず指摘をいただくほど珍しいらしい。だが、上りの最中や、急速にエネルギーを補給したいときには威力を発揮してくれる。まさしくエネルギーの塊で、しかもミネラルなども含まれている(はず)なので、単糖類を摂取し続けるよりも、長期的に考えると身体にはいいのかもしれない。

最近のブームは、ライ麦系のパンに蜂蜜をヒタヒタになるまで塗り、サンドイッチしたもの。アルミホイルに包めば携帯しやすく、簡単に取り出せるので食べやすい。また腹持ちもよいし、ドリンクと一緒に口に含めばすぐに柔らかくなり摂取しやすい。なんといってもよく知る慣れた味なので飽きがない。

極めつけはこれだ。チョコとバナナという組み合わせを嫌いな人はあまりいない(はず)と思うが、これ補給食にしてしまおうというもの。
某誌連載で3年ほど共に走った橋川健氏のアイデアなのだが、話を聞いているだけで生唾がでてしまいそうなものだ。その名もバナナ・ウルトラ・キャラメル・ハシカワ・スペシャル。
FEATURE
コトの発端は、寒い中、レースで頑張っている選手たちのために、ベルギー王室御用達の、有名チョコレートブランドの生キャラメルを使った補給食を食べさせてあげたいという美しい師弟愛によって生み出された。(後日談では、レースを終えてから美味しそうに食べている選手を見たときには思わず「返せ!」と言いそうになってしまったそうだ)。

作り方は簡単。適当に食パンを切って生キャラメルを塗り、パンでバナナを巻き適当な大きさに切ってアルミホイルで包む。しっとりと柔らかな質感のパンが向いているそうで、すこしばかりの隙間があっても気にせずにたっぷりとキャラメルを塗る方がよいとのこと。アレンジをしてぜひ堪能してほしい。

目的地でお腹を満たすつもりでも空腹を我慢しないこと。コンスタントにエネルギーを体内へ送り込むようにするのが、パフォーマンスを維持するために重要だろう。摂取量(カロリーなど)は人それぞれだが、運動強度や状況によって異なる。2時間以上走るなら、ボトルと補強食は必ず持っていくようして、少しずつ摂取する。前半の余裕があるうちは固形物を、後半の疲労が蓄積してきたら摂取しやすいリキッドタイプに移行するなど、工夫をすれば効率がよい。

基本的に何を食べても良い、と思っている。ただし、走っているとき限定であるが。かといって、ギトギトとしたモノを食べたいとは思わないだろうし、一般的なものだったら、あえて節制しなくてもよいだろう(より高い目標を設けているのなら話は別だろうけれど)。食堂など入ることができる場面なら、ためらいなく食べるべき。「地のもの」であれば、なおさらである。精神的にも健全を保てるだろう。

補給食ひとつとっても、工夫次第では楽しみをより膨らませることができる。楽しみは多い方が良い!

着用アイテムの詳細をみる
山本健一(やまもとけんいち)
自転車乗り。編集・ライター。自転車専門誌の編集・ライターが生業。昔、ちょっとだけレースをかじっていた経験あり。とはいえ成績はいまひとつ。
1976年生まれ。身長187cm、体重70kg。足のサイズは29cm。

写真家:和田やずか
1975年生まれ・千葉県出身。
97年よりツール・ド・フランスをはじめ世界の主要レースを撮影。代表作にエウスカルテルチームに帯同した写真集「R」、「f」がある。専門学校東京ビジュアルアーツ・写真学科スポーツゼミ講師。
   
ベルマルク社 ベルギーと自転車の関係 DECCA社 プロレーサーに選ばれるウェア素材 Bio-Racer社 特別企画 弊社の品質管理について